【『本能寺の変』の黒幕は……いない!
2018年04月23日
(【『本能寺の変』の黒幕は……いない! )
http://news.livedoor.com/topics/detail/14615626/
・私は「秀吉の『中国大返し』」に少年の頃から違和感を感じている。いくら「秀吉は天才だった」「軍師に『黒田官兵衛』が居た!」と言われても、「毛利への密偵(本能寺の変の伝令)が、たまたま秀吉の陣中に現れた」ってのは不自然すぎる。
・第一「10日間で200キロの大返し」は出来すぎているし、それまで『三木の干殺し』『鳥取の飢え殺し』という「時間がかかり」「非情な」秀吉の戦法を、毛利が知らぬ筈は無い。この
「時間がかかる」対峙の中で、私は「秀吉と毛利は出来た」と読むのだ。
・『毛利の沈黙』なくしては、この『秀吉の中国大返し』は有り得ないし、秀吉と毛利にとって「最大の脅威」は〔魔王・織田信長〕であったろうと容易に推察が出来る。秀吉には〔黒田官兵衛〕が居たが、毛利には〔安国寺恵瓊〕という怪物軍師が居た。
・だからこの「『応仁の乱』の著者」の主張は真面目すぎて面白くないが、一応「敵に塩を送る」気分でご紹介しておこう。
・ライブドアトピックスから、ダ・ヴィンチニュース の記事を以下。
・「【『本能寺の変』の黒幕は……いない! 光秀をバカにしすぎ。『応仁の乱』の著者が陰謀論を論破】ダ・ヴィンチニュース 2018年4月22日 20時0分」
・「〔明智光秀〕が本能寺の変で〔織田信長〕を殺害した……。この歴史的事実には、様々な説が提唱されている。朝廷黒幕説、足利義昭黒幕説、実は秀吉が裏で手を引いていた、実は家康が協力者として名乗りをあげていた……。このあまりにも動機の分からぬ「不可解な」事件には、多くの陰謀論がふりまかれている」
・「本能寺の変に限らず、歴史には、少なからず「陰謀」が存在する。 そしてすべてを~~の陰謀で説明しようとする『陰謀論』も。 陰謀論は面白い。読者はミステリー小説を読んでいるような感覚になるし、『普通の人は知らない=自分だけが知っている真実』に快感を得ることもできる」
・「だが、そんな『陰謀論』を徹底論破して、『学問としての歴史学』を教えてくれるのが3月9日に電子書籍が配信された『陰謀の日本中世史(角川新書)』(呉座勇一/KADOKAWA)である。『応仁の乱』(中公新書)がベストセラーとなり、今、注目を集める歴史学者の最新作だ」
・「本書では『本能寺の変の黒幕は誰か』という話だけでなく、『源義経は陰謀の犠牲者だった』『足利尊氏は陰謀家』『日野富子は悪女』『徳川家康は石田三成を嵌めた』など、平安後期から江戸初期にわたる、『まことしやかにささやかれる陰謀論』を最新学説で『一蹴』するという内容だ」
・「要はメディアが面白おかしく取り上げたネタ的な歴史や、自称研究者の思い込みで提唱されている『陰謀論』に惑わされず、『史実を見極める目』を養うための一冊でもある。 本書……とても読み応えがあった。内容はもちろんのこと、『史学という学問』の面白さを再発見した気分になった」
・「ちなみに私は学生時代、日本史学を専攻しており、一応学問的に歴史を学んだ人間である。大学4年間の勉強だけなので、あまり偉そうなことは言えないが、そんな私から見ても『ネタでしょ』『明らかにおかしい』と思うような『歴史本』『歴史テレビ番組』は存在する」
・「例えば『○○は戦死しておらず、海外で生きていた』とか、『徳川埋蔵金は実在する』とか、そういう類のものだ。得てして、そういうトンデモ説の方が面白いので、『それはそれ』として楽しんで読んだり、観たりはするのだが、『学問としての歴史ではない』という前提のもとに受け入れている」
・「何が言いたかったかというと、本書は、そういうフィクションとしての面白さではなく、『学問として追究する歴史の面白さ』を大いに感じさせてくれたということだ。 本書いわく、歴史学は『『確からしさ』を競う学問』だという」
・「史料を発掘したり、一つ一つ丁寧に時間をかけて読み込んだり、同時代に書かれている内容を比較したり、先行研究を読んだりと……そうやって『事実を積みあげていく』学問である。 だが、研究者は真実を軽々しく口にしない」
・「当然だが、誰も過去をさかのぼって『見てくる』ことはできないので、『答え』は出ない。だからこそ史料を相手に『こうだったかもしれない』『この可能性もある』と仮説を立てては捨てるを繰り返し、『自分が導き出した一つの説』を『発見』することが学問としての『楽しさ』だと思う。決して『創作』ではなく、あくまで『史料』から『発見』するだけなのだ」
・「だが陰謀論を語る歴史学者の中には、100%自説が正しいと信じて疑わない方もいるとか。著者はそういった歴史学者の『史学的には荒唐無稽な自説』が影響力を持ち、世に広まってしまうことにも懸念を抱いているようだ」
・「さて、本書の一番の魅力は『歴史学の真の楽しさを教えてくれること』だと思っているのだが、内容にも触れておこう。 光秀が信長を暗殺したのは、『突発的な単独犯行』だと本書は述べている。 光秀にどのような『想い』があったかは分からない。だが、黒幕がいて綿密に立てられた計画ではなく、『突然現れたチャンスを逃すまい』とした結果なのではないか、ということ」
・「『そんな穴だらけの無謀なことする?』と多くの方が思われるかもしれないが、『死角のない完璧な犯罪計画など存在しない』と著者の呉座さんは述べる。 陰謀論を信じ過ぎる人は、『結果』から逆算して、一番『得をした人が犯人』だと単純に結論づけたり、一つの事件を、全て計画通りに進めた『スーパーマン(黒幕)』がいると考えてしまったりする」
・「『史実』はそんなに単純ではない。『タナボタ』で得をした人もいただろうし、『追い詰められてダメ元でやってみたら、成功しちゃった』人もいるだろう。『感情で行動した』ことが、大きな事件となってしまい、後世の人が『まっとうな理由』――自分の息子を後継者にしたかったから――などの後付けをしたなんてこともあるのではないか」
・「歴史学は、数学のような『正しさ』があるわけではなく、真実は永遠に闇の中といっても過言ではない。だが、その闇の中から断片を拾い上げ、一つの『説』を導き出すという行為は、奥が深く飽きることがない。 本書を読んで、その面白さに気づいてほしいと思う。(文=雨野裾)」・・・
・「この記事を書いた」人も「この本を書いた人」も、「面白くない方々だろうな?」と思う。22日・深夜に読んでしまったが、投稿は明23日としよう。記事読みに疲れた!印象。
《『陰謀の日本中世史(角川新書)』(呉座勇一/KADOKAWA)》
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