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過去に学ぶも、今は迅速に目前の課題に毅然と対処すべし!

2020年05月10日
(過去に学ぶも、今は迅速に目前の課題に毅然と対処すべし!)


https://special.sankei.com/f/seiron/article/20200508/0001.html


・一昨日の[正論]だが、私にとって『本日一番の読み物』である。筆者(阪大・名誉教授)は括りにこう言っている。


〈デフォーの『ペスト年代記』を読むと、<新型コロナウイルスがもたらした現在の苦境を描いているのかと錯覚> する。こうした歴史的な事例を正確に読み取り、疫病の災禍の意味を長期的視野から改めて考えることは重要だ〉


〈しかし今は、感染を食い止め死者の数を減少させるために、医療と行政、そして政治家と国民が一体となり、迅速に目前の課題に毅然(きぜん)と対処することが求められているのだ〉・・・と。


・産経スペシャル・[正論] から、記事を以下。


・「【[正論] 社会的大試練に対処する視点 大阪大学名誉教授・猪木武徳】産経スペシャル 2020.5.8」


≪良質の情報と思慮ある論議≫


・「新型コロナウイルスの来襲は、われわれにさまざまな問題を突き付けてきた。その対応のために、誰しも良質の情報と思慮のある議論を求めている。専門家にさえその正体のよくわからないウイルスを、いかに、そして迅速に抑え込むことができるのかが喫緊の課題となっている。行政のフロントや、現場の医療従事者たちの文字通り命を賭けた奮闘を知るにつけ、とにかく今はウイルスの『抑え込み』の問題に集中すべきだと痛感する」


・「経済構造や社会制度の問題、そしてこのパンデミックの文明論的な意味を考えることに今はエネルギーを割くべきではなかろう。それはこの難局の終息の見通しが立ってからのことだ。当面は感染症や疫学に関する専門家の知見と、それを政治判断に迅速に生かすことが必須だ」


・「もうひとつは『過去の事例を知る』ということだろう。歴史的事例がそのまま直接参考になるわけではないが、そこからなにがしかの知恵や勇気を学び取ることができるのではないか」


・「事例のひとつに、『ロビンソン漂流記』で有名な〔ダニエル・デフォー〕が、『ペスト年代記』で匿名の人物の証言として書いた、<1665年から66年のロンドンを襲った腺ペスト流行の記録> がある(平井正穂訳『ペスト』中公文庫)」


・「デフォーは文献資料を博捜し慎重に検討しつつ、そのジャーナリスト魂を見せつけてくれる。彼は、少なくとも死者は10万人以上、当時のロンドンの人口の3割以上が命を奪われたと推定する。
1722年に出版された同書の印象をいくつか示してみたい」


・「ペスト菌の襲来で、教会での埋葬も過少報告され、感染者が出たということを政府も民衆も『隠す』というのが常態となっていた。上からの秩序維持を重視する公権力はもちろん、ロンドン市民が自分や家族の感染をひた隠しにしたのは当然であろう。旅行と移動が厳しく禁止され、恐怖心を煽(あお)るようなペストに関する印刷物の出版・販売、自由な集会も禁じられた。経済的困窮による治安の悪化も活写されている」


≪デフォーの公正な記述≫


・「死者の数は貧困層で目立って多く、市壁内にいた富裕層は、郊外の邸宅に避難していたために死者は少ない。貴族や地主以外の、労働で生計を立てていた者のほとんどの経済活動は休止した。劇場などの娯楽関係の営業も停止された。外国貿易も途絶えた」


・「職を失った生活困窮者や貧民を辛うじて支えたのは『慈善活動』であった。その額や寄贈者たちの詳細な記録は、直後の『ロンドンの大火』によって灰燼(かいじん)と帰したため実態はわからないという」


・「疫病が発生してから患者を見捨てて郊外へと身を隠した医師たちを、ロンドン市民はペスト後再び雇おうとはしなかった。また終息してから、1年半ほど空き家となっていた家々に再び入居することの困難も語られている」


・「『噂』と風評被害も長く続いた。英国と貿易関係にあったスペイン、ポルトガル、イタリア、北アフリカ、ハンブルクなどは、疫病が終息した後も、何カ月にもわたり貿易再開に応じなかった」


・「ペストに感染した者が発症する場合、初期症状は人によってさまざまであった。ある者は嘔吐(おうと)し、他の者は高熱に苦しんだが、回復する者もいたという。デフォーの『ペスト年代記』は、自分の正義を言い募らない筆者の公正な姿勢が印象的だ。実証的に記述しつつも、この惨禍が超自然的なことを認める。しかしそこには安直な説教は見られない」


≪迅速に対処し長期に考える≫


・「追いうちをかけるような『1666年9月の大火』により、ロンドンは再び過酷な試練に遭った。大火の後の復興の過程で、改めてロンドン再建の都市計画が策定され、木造建築の禁止や道路の拡幅が立法化された。〔火災保険〕が生まれたのも、大火の経験からである」。


・「こうした社会的な大試練は、その後のイギリス社会に意図せぬ転換をもたらしている。他にもデフォーと同時代、18世紀初頭の『南海泡沫(ほうまつ)事件』のような『バブル』も、同様に社会制度や政治システムの変革をもたらした。株式会社制度には、『公正な第三者』による会計記録の検査が不可欠と認識され、〔公認会計士制度〕と〔会計監査制度〕の誕生のきっかけとなった」


・「このバブル収拾にあたった〔ウォルポール〕は『ホイッグ政権』の重鎮となり、第一大蔵卿として政権を担当、議会の支持を背景とする責任内閣制の基礎を築くのである」


・「デフォーの『ペスト年代記』を読むと、<新型コロナウイルスがもたらした現在の苦境を描いているのかと錯覚> する。こうした歴史的な事例を正確に読み取り、疫病の災禍の意味を長期的視野から改めて考えることは重要だ」


・「しかし今は、感染を食い止め死者の数を減少させるために、医療と行政、そして政治家と国民が一体となり、迅速に目前の課題に毅然(きぜん)と対処することが求められているのだ。(いのき たけのり)」・・・

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