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(日本は平成に安んずるなかれ:東京大学名誉教授)

2019年07月12日
(日本は平成に安んずるなかれ:東京大学名誉教授)


https://special.sankei.com/f/seiron/article/20190712/0001.html


・〔平川祐弘・東京大学名誉教授〕は、私より11歳上の88歳である。教養に満ちているが、文体が若々しい。以下。


〈昭和天皇は降伏を受諾し和平を回復された。敗戦後も国民に敬愛され、祖国の復興と繁栄を目のあたりにし、天皇の地位を全うされた。そんな例は世界でも稀(まれ)だ。国民の悲願の国体は護持されたのである〉

〈〔明仁(あきひと)陛下〕即位当時のわが国周辺環境は、良かった。平成年間は〔武〕を知らぬ戦後民主主義世代が表に出た。だが〔文弱世代〕が気付くと、東アジア情勢はきな臭くなっており、30年間に悪化し、〈日清戦争前の地政学的関係〉に逆戻りした〉


中々躍動感が有って、私が好きな文体である。

・ただご高齢のせいか東大名誉教授のせいか、記事の着地が〔憲法改正〕〔自衛力の増強〕に行かず、〔香港の学生らの日本亡命〕に行っている。それはそれでいいのだが。以下。


〈この際、日本の学長有志は、中国当局ににらまれた学生を受け入れる用意がある旨、声明を出したらどうか。労働移民と異なり、政治難民にビザを出すべきだ。〔杉原千畝(ちうね)の精神〕を生かすべき国際的連帯の時は近づいた。平和立国のスイスはナチス・ドイツの亡命者を受け入れた。私たちは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から除去しようと努めることで国際社会において名誉ある地位を占めることを得るのだ。その使命を忘れてはならない〉・・・


・産経スペシャル・[正論] から、記事を以下。


・「【[正論] 日本は平成に安んずるなかれ 東京大学名誉教授・平川祐弘】産経スペシャル 2019.7.12」


・「〔徳仁(なるひと)陛下〕の新時代を国民は寿(ことほ)いでいる。この節目に昭和・平成を振り返り、令和の日本が果たすべき使命について考えたい」


・「平成の日本は、自然災害には襲われたが、人為的攻撃は浴びず軍事災害がなくてよかった。だが僥倖(ぎょうこう)を喜ぶ愚(ぐ)はしたくない。国際場裏に私たちは誰と連帯すべきかを考えたい」


≪昭和は世界史の「奇跡」≫


・「平静だった平成に比べ、動乱の昭和は印象が強烈だ。新聞雑誌も革新を唱え、『昭和維新の志士』と煽(あお)り、一部軍人の驕慢(きょうまん)、無責任、出世主義もあり、国が乱れた。暗殺、テロ、軍部の独断専行…だが、そんな〔裕仁(ひろひと)陛下〕の時代には二重のドラマがあった」


・「『軍国日本の壊滅』と『産業大国の蘇生(そせい)』だ。生き残った戦中派が死んだ仲間のために黙々と働いてくれたおかげだ。〔ビクトリア女王〕崩御の1901年、明治34年に誕生の昭和天皇は、約64年続いたビクトリア朝に約1年及ばず、昭和64(1989)年に亡くなられた」


・「天皇は降伏を受諾し和平を回復された。敗戦後も国民に敬愛され、祖国の復興と繁栄を目のあたりにし、天皇の地位を全うされた。そんな例は世界でも稀(まれ)だ。国民の悲願の国体は護持されたのである」


・「それに比べ、平成の日本は穏やかに年老いた。平成元年の1989年、春に〈天安門事件〉、秋に〈ベルリンの壁の崩壊〉があり、ソ連、中国は冷戦に負けた。日本に対する共産圏からの軍事的・思想的脅威も消滅した。自由の勝利と感じ、私はうれしかった。それで精神の緊張が弛んだ」


・「〔明仁(あきひと)陛下〕即位当時のわが国周辺環境は、良かった。平成年間は〔武〕を知らぬ戦後民主主義世代が表に出た。だが〔文弱世代〕が気付くと、東アジア情勢はきな臭くなっており、30年間に悪化し、〈日清戦争前の地政学的関係〉に逆戻りした」


・「令和の初年、朝鮮半島は、核兵器とミサイルを持つ『北』はもとより、『南』ももはや日本と価値観を共有する国とは言い難い。〔文在寅(ムン・ジェイン)政権〕は政治的に不健康だ。民族的連帯を最優先し、南北統一のためなら、人権も民主も自由も無視する。左翼民族主義者はやることが強引だ」


・「自国政権が結んだ約束を反故(ほご)にし、反日プロパガンダを高唱(こうしょう)する。韓国の常識は世界の非常識というが、歴代の大統領が次の大統領により投獄され処罰される。死刑執行しないだけ救いだが、そんな復讐(ふくしゅう)政治の悪循環こそ『清算すべき積弊(せきへい)』だろう。民主制のメリットとは政権移譲が平和裏に行われることにある」


≪大中華秩序復活の悪夢≫


・「だがさらに厄介な隣国は、経済力を身につけた中国だ。令和元年、米中対立はついに表面化した。改革開放の中国は、市民社会が形成され、民主化に進むかに見えた。しかし〔習近平国家主席〕の登場で事態は急変、大中華帝国へ先祖返りだ」


・「『習終身主席』とは『習皇帝』だ。ポスト・アメリカ時代は地球に中国時代を招来させる、それが『中国の夢』だと黄福(こうふく)論を唱え出した。宇宙をも制する軍事力は、一国だけでは対抗できない。この中国がもし『台湾』を併合するなら、『ナチス・ドイツのオーストリア併合』と同様、決定的なターニング・ポイントとなろう」


・「昔は海で守られた日本だが、そして今も一応守られているが、隣国のミサイルの射程内にある。いいかえると政治的・心理的に恫喝(どうかつ)される範囲内にある。しかも〈日本には外国に通じる分子〉がいる。敵性国家に弱腰の人は多い」


・「諸国民の公正と信義が信頼できぬ今日、『わが国は平和でめでたい、平和憲法のおかげだ』と口走るのは無責任だ。上に立つ人がもし、そんなおめでたい発言をするなら、平成は小成(しょうせい)に安んじた30年といえよう」


・「第二次大戦直後の1948年、英国作家、〔ジョージ・オーウェル〕は、全体主義国家が監視社会となる近未来を予想し、『1984年』を書いた。そんな年は先の先と思っていたが、1984年は無事に過ぎた。だが、機械文明の成果を駆使して、人民を監視統治する全体主義国家が隣国で現実のものと化しつつある」


・「人々の思想傾向を記録し、その顔を認証する現代版の〔档案(とうあん)〕(解説:〔だんあん〕とも。『国民管理を目的に作成される個人の経歴、思想等の調査資料を収集した秘密文書』)の完成は近い。かつての共産中国では個人の履歴・言動なども手書きで記録し、それが運命を左右した。だがこれからは外国在住の中国人も、日本人も含めて、電子機器で記録されるだろう」


≪国際的に連帯する時だ≫


・「私たち日本人はのんきだが、香港では200万人が街頭デモに繰り出した。逃亡犯条例が成立し、中国本土へ引き渡されたら、ナチス・ドイツのゲシュタポに捕まったも同然だ。香港の次は台湾の運命だ。この際、日本の学長有志は、中国当局ににらまれた学生を受け入れる用意がある旨、声明を出したらどうか」


・「労働移民と異なり、政治難民にビザを出すべきだ。〔杉原千畝(ちうね)の精神〕を生かすべき国際的連帯の時は近づいた。平和立国のスイスはナチス・ドイツの亡命者を受け入れた。私たちは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から除去しようと努めることで国際社会において名誉ある地位を占めることを得るのだ。その使命を忘れてはならない。(ひらかわ すけひろ)」・・・

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