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(〈米中対立が通商問題から安全保障領域へ移行した〉今、日本も部外者ではない)

2019年06月20日
(〈米中対立が通商問題から安全保障領域へ移行した〉今、日本も部外者ではない)


https://www.sankei.com/world/news/190620/wor1906200002-n1.html


・書く前に〔パトリック・シャナハン米国防長官代行〕(56歳)は降板する。ボーイング社の副社長で、軍歴も政治歴も無かった彼は、強面(こわもて)ながら「何もしなかった」〔マティス前国防長官〕の“ワンポイント・リリーフ”をよく務めたと思う。


・後任は現・米陸軍長官である〔マーク・エスパー氏〕らしいが、はて? いつまで続くのだろうか? イランと一触即発状態の中、「国防長官ナシ」の〔トランプ政権〕はどうなってしまうのか心配である。そんな〈米中対立が通商問題や華為技術(ファーウェイ)などの中国企業をめぐる問題から安全保障領域へ移行した〉今、日米関係専門家である〔簑原俊洋・神戸大教授〕の解説は「読ませる!」という印象。


・先ずは産経の「リキが入ったイントロ」を以下に。

〈東西冷戦終了後、唯一の超大国となった米国。圧倒的な軍事力、経済力で世界に示してきた「覇権国家」の地位を、拡張路線をとる中国が狙う。米国が主導してきた世界秩序は、今後変わっていくのだろうか。米国の外交を専門とする簑原俊洋(みのはら・としひろ)神戸大学大学院教授が読み解く〉


・産経ニュース・[揺らぐ覇権] から、『随時掲載記事』を以下。


・「【[揺らぐ覇権] 米中対立 次の段階に突入 日本も部外者ではない】産経ニュース 2019.6.20 10:00」


・「米国と中国の対立は確実に次の段階へ突入した。これが5月31日から6月2日までシンガポールで行われた『アジア安全保障会議(シャングリラ対話)』に出席した際の率直な感想である」


・「実際、この度の会議で最も注目されたのは、前国防長官の〔マティス〕に代わって登壇した当時の国防長官代行、〔シャナハン〕(国防長官に指名されたが、本人の意向を踏まえて大統領が撤回。現在、長官不在の最長記録を更新中)と中国の国防相としては8年ぶりに演説を行った[魏鳳和(ぎ・ほうわ)〕だった」


・「初日に登壇したシャナハンは、原稿を読みあげる際、ときどき言葉につまずき、雄弁さを欠いた。加えて彼のスピーチはマティスが同会議において語った内容をほぼ踏襲しており、周囲の期待の大きさと裏腹に迫力不足は否めなかった」


・「とはいえ、その演説内容を精査すると、『細かい部分で米国の政策の変化』は明らかだった。たとえば、名指しこそしなかったものの、中国を明白な脅威として認識している事実に加え、自国の国益を擁護するためには中国の膨張を看過せず、有効な対抗手段を徹底的に取ると言い放った」
 

・「歴史家の私からすれば、シャナハンの演説は、同様にソ連を名指しはしなかったものの『米国に脅威を及ぼす国家の行動を許容せず、今後対峙(たいじ)していく』ことを明示した1947年の〔米大統領トルーマン〕の演説を想起させるものだった」


・「さらに中国が『核心的利益』であると声高に訴える〔台湾〕についてシャナハンがこれまでより踏み込んだ発言をしたことからも、政策の大きなシフトがうかがえる。 実際、米国は航行の自由作戦(FONOPS)の頻度を昨年後半から大幅に増加させてほぼ月に1度のペースで実施しており、南沙諸島海域での日本を含む同盟国との軍事演習も精力的に実施している」


・「台湾に関して言えば、トランプ政権は、最新鋭の戦車を含め、台湾の軍事近代化を促進させるための大規模な武器輸出に踏み切った。これは明らかに『米国の台湾への新たな政策』の一環として行われており、〈米中対立が通商問題や華為技術(ファーウェイ)などの中国企業をめぐる問題から安全保障領域へ移行した〉のを示唆するものだ」


・「シャナハンの攻勢に負けまいとの気迫で最終日の演説に臨んだ〔魏〕の反駁(はんばく)は猛烈であった。現在の米中対立の責任の所在は米国にあるとした上で、台湾の中国からの分断阻止には武力を含め、あらゆる手段も辞さないとの強い姿勢を打ち出したのである」


・「当然、一帯一路、南沙諸島の軍事拠点化などの中国の行為を全て正当化したが、最も痛烈な印象を与えたのは、『われわれの国益を損なう相手に対しては完全に打ち負かす』『もし米国がわれわれと戦いたいのであれば、われわれの備えはできているし、絶対に強圧されない』との勇ましいレトリック(解説:弁論術)の数々だった」


・「これもまた、冷戦時のソ連共産党第1書記〔フルシチョフ〕が行った1956年11月にモスクワで行った有名な『米国を埋める』演説を想起させた。現段階において強い言説を発しているのは、まだ閣僚級レベルであるものの、この道をたどれば、かつての米ソのように国家のトップ同士がいずれ厳しい発言の応酬を行う段階に達するのは時間の問題であろう」


・「それゆえ大阪で行われる『20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)』での米中トップの顔合わせが注目される。日本も部外者ではない。こうした『覇権挑戦期』におけるわが国の対応について国家レベルで真剣に熟考しなくてはならない局面に達しているという事実は、論をまたないであろう。(敬称略)」・・・


☆【プロフィル】簑原俊洋(みのはら・としひろ) 米カリフォルニア州出身。カリフォルニア大デイビス校卒。神戸大大学院博士課程修了。博士(政治学)。同大学院法学研究科教授。専門は日米関係、国際政治。


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