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(AIブームに冷水)

2019年04月14日
(AIブームに冷水)


https://www.sankei.com/premium/news/190414/prm1904140009-n1.html


・〔杉山将・理化学研究所センター長〕としては、一旦『AIブーム』に冷水を浴びせるしか無い。地味に真面目にコツコツとやって来た〔研究者〕としては、20年やって来た『この道』を、これからも歩んで行くしかない筈だ。


・確かにアメリカなどの、「CGで描かれた『AI兵器』」などは凄まじい。正に「〈期待と恐れ〉が相半ばする存在」であることには間違いない。 「AIが魔法の箱」ならば、「三沢沖に墜落した空自の〔F35A戦闘機〕など、とっくに発見されている筈だ。そういう意味で、『AIブームに冷水』とタイトリングしたが、冷静な「良い記事」である。


・産経ニュース・[平成の科学(2)] から、記事を以下。


・「【[平成の科学(2)] 『AIは魔法の箱ではない』 杉山将・理化学研究所センター長】産経ニュース 2019.4.14 10:00」


・「情報技術(IT)の革新によって人々の生活に大きな変化がもたらされた平成の時代。とりわけ昨今、ブームに沸く人工知能(AI)は社会を根底から変える可能性があり、〈期待と恐れ〉が相半ばする存在だ。理化学研究所革新知能統合研究センターの〔杉山将センター長〕(知能情報学)に聞いた。(松田麻希)」


〈行きすぎたブーム〉


--AIは1960年代の第1次、80年代の第2次ブームを経て、現在は第3次ブームに沸いている


・「『私が研究を始めたのは90年代後半ですが、AIの研究をしているとも思っていませんでした。データからコンピューターに何かを学習させる『機械学習』という分野で約20年、地味にアルゴリズム(計算方法)の研究に取り組んできて、気が付いたら周りが盛り上がっていた。このようなブームになるとは思ってもみませんでした』」


--ブームが過剰になっている


・「『行きすぎているのではないかと感じるのは事実です。われわれが長年積み上げてきた技術がある一定のラインを超えたのでしょう。マーケティングに使える、利益を生むことができると嗅ぎ付ける人が出てきて、米国に遅れて日本でも盛り上がっていますね。研究者としては変わらず基礎研究を続けているので、周りが変わっただけです』」


--どのような研究をしてきたか


・「『データが少なくても、うまく学習させるというのが研究テーマで、修士論文の頃からほぼ変わりません。ビッグデータもブームになっていますが、基礎の情報科学の研究者からすれば、たくさんデータがあれば学習できるのは明らかなことなので、機械学習の研究としてはあまり面白くない。限られたデータからどうやって効率的に学習させるか研究してきました』」


--何ができるようになるのか


・「『現在AIが使われていない分野は、データがないからだと思います。いろいろな企業の方からAIで何かやりたいというお話をいただきますが、最初からデータをたくさん持っている人はいない。大企業は大量に人を雇ってデータを作っているのです。質の悪いデータや安価に集められるデータでも学習できるようになれば、あらゆる分野でAIが活用できるでしょう』」


〈人類を支配なんてあり得ない〉


--AIのイメージが膨れあがっている


・「『AIって何ですか、と企業の経営者の方などに問いかけると、〈魔法の箱にデータを入れればビジネスの悩みを何でも解決してくれるものだ〉と思っている。SFとしては面白いですが、そういうものがあるわけではない。(AIが人間を超える)シンギュラリティーが起きてAIが人類を支配するなんて話も全くあり得ないのですが、そういう想像をするくらい機械が賢くなってきて、恐怖を感じる人も出てきたのでしょうね』」


--ブームは続くのか


・「『今のようなブームは2~3年で終わると思います。研究を進めるにあたって、今は多くの方から声を掛けてもらえるありがたい状況ですが、AIのバブルに踊っている人が多いのも事実で、良いパートナー企業を見つけるのも大変です。ブームが去ったときに残った人は本当の意味でビジネスにAIを使っていこうという玄人。その際にサポートできるよう、われわれ研究者もなっていきたいと思います』」


--日本のAI研究の課題は


・「『がんの診断ができるようになったというような、〈AIを使って何をしたかの成果ばかりが目立っている〉と感じます。社会の役に立つことは重要ですが、その背景にあるアルゴリズムそのものにしっかり取り組まないといけません。アルゴリズムは難しい数学の論文ばかりが出てくる専門家の世界なので、なかなか世の中に認知されないのが悩ましいところです』」


--なぜそのような研究が必要なのか


・「『われわれを評価してほしいと言っているわけではなくて、そういう研究をしていかないと、グーグルなど国外の企業に支配されてしまうことを理解してもらいたいのです。〈AIで何かやろうとすると、多くの人がグーグルが作った機械学習のソフトウエアを使っている〉のが現状です。これでは未来がありません』」


--AIを扱える人材が足りない


・「『研究を発表すると海外の企業からはすぐに問い合わせがあるが、国内からはあまりない。まだまだ人材のレベルが世界の最先端には達していないようです。ブームの後押しもあって勉強したいという学生は増えているが、それを受け入れるキャパシティーが大学にない。医学や物理などに比べてコンピューターの定員はほんのちょっとしかないし、機械学習をやっている先生も限られている。大学だけではできないので、政府や産業界も一緒になって人材育成に取り組んでいかないとなりません』」


〈AIが多分野をつなぐ〉


--今後の期待は


・「『私が所属している東京大でも感じますが、物理、化学、宇宙、生物、医薬学、建築、法律、農学など、全学部がAIとつながっている。理研のこのセンターでも医師や法律家、数学者が一緒に研究している。これは5~10年前には考えられなかったこと。AIが分野の橋渡し役となって、お互いの刺激になっている。日本の科学技術全体の発展につながると期待しています』」


--令和はどのような時代になるか


・「『基礎研究の人がうまく技術を提供して、応用研究や産業界につなげていく体制が、平成のうちに何とか準備できました。長い下積みの時代から一気に花開いたAIが、新しい時代により伸びていけばいい、その一助になっていきたいと思います』」・・・


◇〈すぎやま・まさし〉昭和49年、大阪府生まれ。東京工業大大学院情報理工学研究科博士課程修了。平成26年から東京大教授、28年から理研革新知能統合研究センター長を兼務。29年に日本学士院学術奨励賞、日本学術振興会賞。専門は知能情報学。

Ai

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