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統計は〈目に見えない国家のインフラ〉

2019年03月08日
(統計は〈目に見えない国家のインフラ〉)


https://special.sankei.com/f/seiron/article/20190308/0001.html


・投稿者の〔吉崎達彦氏〕、「統計に関わる者=シンクタンク業界の一人」としての素晴らしい提案である。①表題だけでなく、②「18年以降の10年間で政府職員数が全体で1割減った間に、〈統計関連の職員数は6割も減少〉している」、③「『兵站(へいたん)部門の軽視』というわが国の組織にしばしばみられる欠点が、こんな形で出てしまったともいえる」・・・


・これでは統計部門担当のモチベーションもダダ下がりだった筈だ。しっかしま、霞ヶ関は毎年毎年、「サヨク野党」に『おもちゃ』を与える。お気楽野党は、「迫り来る国家安全保障の危機」なんかほったらかして、ひたすら国会でこの『おもちゃ』で遊んでいれば良いことになる。


・政府統計と違い、「実質経済は後退」が見え始め、なぜか「値上げラッシュ」に「人手不足の時短」だ。秋の「消費増税」なんざ、出来ようもない情勢だ。「統計は〈目に見えない国家のインフラ〉」・・・吉崎達彦氏の提言をお読み戴きたい。


・産経スペシャル・[正論] から、記事を以下。


・「【[正論] 内閣統計官を新設し士気高めよ 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦】産経スペシャル 2019.3.8」


・「『毎月勤労統計調査』の平成30年分結果確報が2月22日に公表された。冒頭に、『国民の皆さま、統計に関わる皆さまにご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます』とある。ここでは後者(統計に関わる者=シンクタンク業界)の一人として、若干の苦言と提言を申し上げたい」


≪著しく削られた人員と予算≫


・「毎月勤労統計といえば政府の基幹統計のひとつであり、〈雇用者報酬などの元データ〉でもある。その調査において、16年から全数調査がサンプル調査に切り替えられ、その際に必要な復元作業が行われていなかった。この調子では、各業界レベルで行われている統計などはどうなっているのだろう。あらゆる政府統計を急いで見直さなければならない」


・「今回の『厚生労働省の失態』は、一部の野党が勘ぐっているように『賃上げを目指す安倍内閣に忖度(そんたく)して』などという高級(?)な意図はなかったはずである。長年に亘(わた)り〔ボーンヘッド〕が続けられ、途中で気づいた人もいたけれども糺(ただ)す勇気を欠き、しかも上層部は現場の実態を把握していなかった」


・「残念な事態であるが、2点だけ安堵(あんど)したこともある。1つは修正後の毎勤統計が、以前の調査結果と大きく食い違うものではなかったことだ。この程度であれば、他の統計も過去に遡(さかのぼ)って大幅な修正を求められることはないだろう。もっとも〈24年以前の毎勤統計は復元できない〉らしい。わが国の経済統計には、かかる『ブラックホール』が生じたことになる」


・「もう1つは『日本銀行調査統計局』が、早い時点から毎勤統計の精度に疑問を呈していたことである。民間エコノミストの中にも、昨年前半の賃金上昇が不自然だとする指摘があった。わが国統計関係者の目は、さすがに節穴ではなかったのである」


・「とはいえ今回の事態により、政府統計部門の足腰がいかに弱っているかが明らかになった。統計にかかわる人員と予算は、近年著しく削られてきた。なにしろ18年以降の10年間で政府職員数が全体で1割減った間に、〈統計関連の職員数は6割も減少〉している」


≪「兵站部門の軽視」が表出した≫


・「『行政改革』と言えば聞こえはいいが、それで現場の仕事が減るわけではないのである。『兵站(へいたん)部門の軽視』というわが国の組織にしばしばみられる欠点が、こんな形で出てしまったともいえる」


・「以前、筆者は自民党の『新経済指標検討プロジェクトチーム』にオブザーバー参加したことがある。28年12月に行われた〈国内総生産(GDP)統計手法の見直し〉に合わせて、時代にふさわしい経済統計を論じたものである」


・「翌年5月に提出された提言には、『GDPを補完する人々の幸福感・効用に寄与する指標群の構築』などとともに『国際的に見劣りしない水準の統計作成・活用基盤の構築』という項目が入った」


・「いま読み返すと、『まずは、長年続いてきた統計部門の人員・予算の減少に歯止めをかけ、必要な人員増を図ることにより十分なリソースを確保するとともに、中長期的な視点から人材育成に取り組んでいくことが必要である』と書かれている」


・「この提言は与党政調から骨太方針にも取り入れられ、今後は着実に実行されるはずであった。あいにく現実を変えるには間に合わなかったようだが、さて、わが国の統計部門を立て直すために、どんな手法が可能だろうか」


≪ビッグデータ時代の制度設計を≫


・「『統計省を作れ』、との声がある。各省の統計作成部門を集めて、内閣府の経済分析部門と一緒に新たな組織を作る。いわば旧経済企画庁の下に、各省の経済統計作成者を集めるというアイデアである」


・「もっともこれはかなりの力仕事になるだろう。さらに言えば『餅は餅屋』という見方もある。やはり住宅着工件数は国土交通省で、鉱工業生産は経済産業省で作成するのが本筋であろう。それぞれの業界を担当する省庁が、統計作成の実務を行うことが望ましい。問題はどうやって〈統計担当者のモチベーションを維持する〉かである」


・「そこで提案したいのは内閣統計官の設置である。内閣情報官や危機管理監と同列のポストを設け、政府統計の責任者と位置付ける。官庁エコノミストのOBで、しかるべき方になってもらうとよい」


・「その上で政府全体の統計を指揮・監督する任務を担ってもらう。目標は、世界に通用する統計専門家を育てることだ。例えば省庁を越えた統計人材の人事交流ができれば、それだけで現場の士気高揚につながることだろう」


・「民間のデータ利用も総合的に検討してほしい。ビッグデータ時代においては、官民を合わせた制度設計が重要になってくる。近年叫ばれている『EBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング=証拠に基づく政策立案)』も、統計が不十分では掛け声倒れに終わってしまうだろう」


・「統計はいわば〈目に見えない国家のインフラ〉である。今回の失態を奇貨として、統計に関する悪しき流れを変えたいものである。(双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 よしざき・たつひこ)」・・・

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