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エセ医療法大流行の昨今:がん

2018年11月02日
(エセ医療法大流行の昨今:がん)


http://ironna.jp/theme/410


・昨年、居酒屋で隣席だったがん患者の女性が、「散々悩んだが、『神の啓示』のような本に出会えた!」と言った。私が「まさか〔近藤誠医師〕の本じゃないでしょうね」と言ったら正鵠!その後私の闘病本:【生還へのフォアボール】を差し上げ、熟読できた(らしい)彼女は、正しい病院で納得のいく闘病生活が送れたようだ。


・今、親友の奥方が『セカンド・オピニオン』を選んで転院した。是非「勝って生還して欲しい」ものだ! 常々書いているが、「がん闘病の戦場から生還」するには、患者や家族の「センス」「インテリジェンス」が不可欠だと思う。医師の治療方針に納得したら、腹を括って全身を委ねることだ。


・長い記事だが、「医師の良心溢れる」素晴らしい記事だと思う。お時間のある方や「今、がんと対峙しておられる方、ご家族」には是非mお読み戴きたい。


・iRONNNA・大場大(東京オンコロジークリニック院長) の記事を以下。


・「【〔川島なお美さん〕の命を奪った『セカンド・オピニオン』】iRONNNA・大場大(東京オンコロジークリニック院長) 2018/11/02」


〈『川島なお美 手術の是非』という文藝春秋の記事〉


・「最近、ニュースキャスター、〔黒木奈々さん〕の『胃がん』、女優、〔川島なお美さん〕の『肝内胆管がん』による訃報が重なり、ミュージシャン、〔つんく♂さん〕の『喉頭がん』やタレント、〔北斗晶さん〕の『乳がん』との闘病記など、集中的に著名人の『がん』報道が各メディアから流れてきます」(解説:〔川島なお美さん〕は2015年9月24日(54歳没)です)


・「そのようなタイミングを見計らったようにして、『文藝春秋11月号』(文藝春秋)で〔近藤誠医師〕による記事が掲載されました。近藤氏といえば、文藝春秋にとってみれば、これまでに多くのセンセーショナルな医療記事やベストセラー著作を生み出してきた、いわば切っても切れない常連仲でもあります」


・「そのような背景はあるにせよ、今回の川島さんの記事について、主観を一切そぎ落としたうえで、一臨床医として読み進めていくと、その内容には、信じ難い多くの問題を抱えていることがわかりました」


・「いくら一般向け読み物とはいえ、『がん』という病気を扱った医学情報を基にした記事としての内容としては極めて異質であり、それら医学的な誤りについてこのブログで糺してみようと思います」


★「医師の守秘義務」に抵触しているのでは?


・「先ず記事の冒頭で、『法律上、亡くなった方は医師の守秘義務の対象ではなくなりますが、(以下略)」(P188)という前提を置いたうえで、亡くなられた川島さんの個人情報をベラベラと公で語り出すのは倫理的にいかがなものでしょうか」


・「まだまだ心の深いキズも癒えていないはずの、夫の〔鎧塚さん〕もさぞかし不本意なことだと思われます。たった一度、わずか30分間お話しただけの医師が、川島さんご本人に対して本当にそのような裁量権を持ち得るのでしょうか」


・「医師の守秘義務とは、『医師・患者関係において知り得た患者に関する秘密を、他に漏洩してはならない』という医師の義務のことです。法的に云々という前に、本来は専門職業(プロフェッショナル)に従事する医師の倫理上の義務だということになります」


・「古くは、『ヒポクラテスの誓い』において、『治療の機会に見聞きしたことや、治療と関係なくても他人の私生活について洩らすべきでないことは、他言してはならないとの信念をもって、沈黙を守ります。』と述べられています」


・「それを引き継ぎ、1948年に採択されたジュネーブ宣言の中でも、医師の守秘義務について、『私は、私への信頼のゆえに知り得た患者の秘密を、たとえその死後においても尊重する。』と述べられています」


・「では、法的義務としてはどうかというと、日本において医師の守秘義務違反については、プライバシー侵害等の不法行為に該当するか否かをめぐり、民事上の責任が問われた先例があるようです。しかし、明文でこの問題をとり上げているのは刑法の次の規定があります」


刑法134条(秘密漏示)第1項

「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産婦、…の職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」 — 日本医師会ホームページ「医師の守秘義務について」


・「川島なお美さんご本人の同意があるとは決して思えない状況下で、近藤氏は法的云々を前提に置く前に、先ずは医師として遵守すべき医療倫理が欠如しているといえるでしょう。ちなみに、川島さんが訪れた『近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来』のホームページに明記されている『個人情報の管理と保護』がまったく遵守されていないということになります」


★「肝内胆管がん」の医学的な誤りについて


・「川島なお美さんの訃報が流れたタイミングで様々な専門性を持った医師たちがメディアを介して盛んにコメントをされていました。しかし、時系列として彼女が患った『肝内胆管がん』と診断された時点における重要な各論は皆無であったような気がします」


・「『予後が悪いがん』だから、手術をしても治らなかったのでは?と、なんとなく決めつけられたフワフワした議論もみられました。本当にそうだったのでしょうか」


・「記事の文面通りに解釈すると、8月の中旬頃に都内の有名ブランド病院で『肝内胆管がん』が発見されています。その1カ月後の9月12日に、川島さんは近藤氏のもとを訪れ、セカンド・オピニオンを求めました(P189)」


・「そのやりとりの中で、過密な仕事スケジュールや主治医との折り合いも悪かったようですが、11月にもう一度、病気の進行具合を確認したうえで12月23日に舞台が終わってから治療を受けたい意思を示したうえで、『(近藤)先生、そんな仕事優先の私は間違っていますか』(P191)と尋ねたようです」


・「それに対して、近藤氏のコメントは、『転移はありませんでしたし、川島さん自身も『早期発見だった』とおっしゃっていたんですが、胆管がんは膵臓がんなどと並び予後のきわめて悪いがんです。彼女の場合、腫瘍は肝臓の左葉の真ん中付近にあったんですが、いずれ目に見えない転移巣が明らかになってくる可能性が高かった』」


・「『そうなるとステージ(病期)は末期のIVということで、切除手術自体が無意味ということになってしまいます』(P191)。身勝手に末期のステージIVと決めつけ、要するに手術を受けないように薦めているのです」


・「詳細な情報がありませんので明確なことは言えませんが、同様な病気を患われた方がこの記事にある誤った情報に引っ張られないためにも、以下指摘してみます。


『MRI検査で2センチほどの影が確認された』(P189)

『検査画像を見る限り転移はありませんでした』(P191)


要するに、『腫瘍径:2cm大』『腫瘍個数:単発(1個だけ)』『転移:目に見えるリンパ節転移や遠隔転移を認めない』という条件の『肝内胆管がん』だと思われます。『原発性肝癌取扱い規約 第6版』(日本肝癌研究会編)に従うと、ステージII(2cmを超えた場合にはステージIII)ということになります」


・「近藤氏は、転移がすでに潜んでいる『予後が悪いがん』と決めつけていますが、上記条件の川島さんの『肝内胆管がん』に対して、がんの取り残しなく、しっかり手術を受けるとどれほどの予後が予測されるかご存知でしょうか」


・「質の高い手術レベルで有名な〔ジョンズ・ホプキンス大学〕(米国)の外科医、〔Hyder医師〕の報告によると、514例の『肝内胆管がん』を治療した成績をふまえて提案した『ノモグラム』という予後予測解析ツールというものがあります(JAMA Surg 2014;149: p432-438.)」


・「それを使って川島さんの予後予測をしてみますと、近藤氏のもとに訪れた時点では、少なくとも


『手術によって3年生存率は80%以上、5年生存率は70%以上』


という結果になります。あくまでも予測ですが、この『ノモグラム』には再現性があり、診断当初はいくらでも治せるチャンスがあったと言えます」


★「肝内胆管がん」の特徴的ふるまい


・「『肝内胆管がん』が厄介なのは、肝臓には豊富なリンパ流があり、そのふるまいはリンパ節転移を非常に起こしやすいということに尽きます。記事通りだと、川島さんは、実際に手術を受けたのが、診断時からなんと『5ヶ月』も経ってからのようです。


・「病気が見つかってから『5ヶ月』も経てば、がん細胞は容易にリンパの流れに乗って、転移をしてしまうリスクが高くなるのは当然でしょう。以下、4つの大きなリンパ流((1)肝十二指腸間膜、(2)胃小彎、(3)大動脈周囲、(4)縦隔)を示します」


Photo_2


・「お仕事の都合があるとはいえ、川島さんは何よりも『治癒』を目標ゴールとして目指したかったでしょうから、これらリンパの流れを意識した質の高い手術が、適切なタイミングで求められるべきでした」


・「それでも近藤氏は、手術は『合併症も含めてバタバタと亡くなっていく』(P191)、『メスを入れたところにがん細胞が集まり、急激に暴れ出すことが多々ある』(P192)、危険だぞ、怖いぞ、と数字を一切示さないで誇大に恐怖を煽るだけです。それらの根拠は一体どこにあるというのでしょうか」


・「結果的には、川島さんは早期に発見されてから半年ほど『放置』されていたことになります。この病気特有のふるまいが、診断された時点で、主治医からも近藤氏からも、おそらく丁寧に説明されなかったことが最大の罪に思えてなりません」


★誤った選択肢の提示


・「主治医から説明を受けていたからなのでしょうが、川島さんは『ラジオ波焼却術は、肝臓がんには有効だが、肝内胆管がんには効かないと言われましたが本当ですか』と尋ねているのにもかかわらず、以下のように答えています」


・「『ぼくは『ラジオ波なら手術をしないで済むし、1ショットで100%焼ける。体への負担も小さい。そのあと様子を見たらどうですか?』と提案しました。『手術しても十中八九、転移しますよ』ともお伝えしました。むしろ手術することで転移を早めてしまう可能性もあるからです』」


★川島なお美さん 手術遅かったとの指摘は間違いと近藤誠医師(NEWSポストセブン)


・「『肝内胆管がん』に対して、病気を焼くことで生存利益を示した科学的根拠(エビデンス)は存在しません。近藤氏は100%焼けると言い切っていますが、目に見える病気をいくら焼いたとしても、近傍に潜んでいるかもしれない、あるいはリンパ節に潜んでいるかもしれない、目に見えないがん細胞にはまるで意味を持ちません。適当にその辺りを焼くくらいであれば、何もしない方がまだマシだとも言えます」


・「前述したようなリンパの流れを意識した真面目な手術をすることで、『治癒』できるかどうかが議論されるべき病気なのに、なんとなく姑息的に焼いたらいいと、個人の主観や嗜好でものを言ってはいけないのです。生存利益があるという根拠がない限り、気軽にラジオ波というオプションを提示するのは間違いです。放射線治療も然りです」


★正しいセカンド・オピニオンのすすめ


・「『がん』は人生を一変させる病気です。そのような病気が読者自身の厳粛な現実(リアル)として訪れてしまった場合、最善の情報や治療にアクセスしたいと希望されるのは当然のことです。それにもかかわらず、藁にもすがる思いで不安や心配で揺れ動く患者さんを弄ぶかのように、世の中には科学的根拠(エビデンス)を欠いた様々な『エセ医学』が氾濫しています。検証のない『近藤誠言論』もその中のひとつと言えるでしょう」


・「昨今のがん医療現場において、主治医の説明が理解できない、納得がいかない、信頼関係が築けないという鬱憤に端を発し、信じがたい不幸な医療事故ニュースの見聞が目立つようになってきました」


・「そのような背景も相まってか、不馴れや未知、不安や心配、そのような普段とは異なる精神病理に巧みに付け入ることで、不誠実なエセ医学は温存され続け、普段はどれほど教養レベルの高い人たちでも、まるで『洗脳』のごとく容易に誤った方向に引っ張られてしまう患者さんをこれまで数多く目の当たりにしてきました」


・「川島さんのケースの場合でも、最初から関わっていた主治医と彼女との間でどのようなコミュニケーションが交わされていたのでしょうか。耳に入ってくる情報では、決して良好な信頼関係が築けていたようには感じられません」


・「『がん』についての情報が十分に備わっていない彼女が本当に理解し納得するまで、『病気のこと』『治療のこと』について真摯で丁寧な説明がされていたのでしょうか。そして、リンパ節転移を起こしやすい『肝内胆管がん』に対して、適切とは言えない腹腔鏡で行った手術はどのようなレベルのものであったのでしょうか」


・「一方で、彼女のセカンド・オピニオンを担った近藤氏は、元放射線科医という立場で気軽に『肝内胆管がん』を語るべきではないのです。結果的には、医学的なオピニオンから明らかに逸脱し、近藤氏の単なる『思想』を押し付けられただけであり、非常に忌まわしい問題といえます」


・「〔セカンド・オピニオン〕とは、患者さんが納得のいく意思決定ができるように、現在診療を受けている主治医の『第1の意見』ファースト・オピニオンとは異なる医療機関の医師に『第2の意見』を求めることです」


・「『第3の意見』『第4の意見』として求めてもよいでしょう。『がん』について、インターネットや書籍棚の世界には誤ったエセ医学情報が蔓延しています。自身の受ける治療について正しく考えることの基準を教えてくれる絶好の機会として、気後れすることなくセカンド・オピニオンを大いに活用することは非常に大切です」


・「現在の主治医から説明された診断や治療方針について、説明内容がよくわからない、納得のいかないことも多々あるかもしれません。あるいは、『他にもっとよい治療法はないのか』と思われる場合もあるでしょう」


・「セカンド・オピニオンを受けることで、今ある主治医の意見を別の角度からも検討することができます。もし同じようなオピニオンが説明された場合でも、それは決して無駄ではなく治療に対する理解や安心が深まることになるでしょう。また、別の意見が提示された場合には、治療選択の幅が広がることで、意思決定の質を高めることにも繋がります」


★悪質な一貫性


・「文藝春秋の記事見出しには、手術を受けなければ『川島なお美さんはもっと生きられた』とありますが、事の真相は、近藤氏の意見(オピニオン)に振り回された結果、『治るチャンスを逸してしまった』ということではないでしょうか」


・「医学的に誤った内容を平然と記事にしても恥じない出版社×近藤誠氏、事実(ファクト)を歪め、川島なお美さんの尊い命を自らのビジネスに利用することに良心の呵責はあるのでしょうか」


・「いつの時代も、著名人の『がん』について各メディアは様々な各論抜きで、なんとなくエモーショナルに報道しているような気がします。川島さんについても、最期まで潔く女優人生を貫かれたという報道に異論はありません」


・「しかし、私のセカンド・オピニオンが最後まで許されるのであれば、もし最善の情報、最善の医師に辿り着いていたとしたならば、病気を克服され、現在も元気な姿で舞台に立っていたような気がします。素晴らしい女優であったからこそ、早い最期が惜しまれてなりません」・・・


《〔川島なお美〕さんも逝って早3年.》


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