また『赤穂浪士討ち入りの日』がやって来た!
2015年12月14日
(また『赤穂浪士討ち入りの日』がやって来た!)
・三橋美智也、春日八郎、村田英雄、フランク永井などと、私は「亡き演歌の神々」を呼び捨てで呼んでしまうが、何故か三波春夫だけは〔三波春夫センセイ〕と呼んでしまうのだ。いつかテレビで、作家の〔森村誠一〕氏の執筆の日常を放映していたが、机の上にはテレコがあり、四六時中〔三波春夫センセイ〕の歌声を聞いて元気を貰いながらの執筆活動だった。
・数々のヒットはあれど、国家の大事業である、1.1964年10月の東京五輪も、2.1970年3月からの大阪万博も、〔三波春夫センセイ〕の歌だった。1.が『東京五輪音頭』、2.が『世界の国からこんにちは』である。あの晴れやかな、明るく朗々とした歌声が、他に誰が出せたのだろう。2020年の東京五輪&パラ五輪が気がかりである。
・さて表題のとおり、今日12月14日は『赤穂浪士討ち入りの日』である。「済んじまったこと」なので思い出話しか書けないが、2年前=2013年の登録記事がよく出来ていると気が付いたので、そのまま再び掲載させて戴くことにした。
・ただ何で〔三波春夫センセイ〕を前に振ったか?実は渾身の『俵星玄蕃』は、歌あり浪曲あり講談ありの、「一人ミュージカル」なのである。そしてカラオケでその熱唱を再現してくださったのが当時の私の友人・JBD日本ビジネス開発の石金社長、15年ほど前だと思うが見事だった。
・そして最近では〔島津亜矢〕が中々の力演を見せてくれた。〔三山ひろし〕版はイマイチのように思われるが、この「芸術作品」と言ってよい『俵星玄蕃』、我こそはと思う若手演歌歌手によって歌い継いで言って欲しいものだ。
・あの「そば屋かぁ!」の台詞部分だけなら、JASRACさんもお目こぼしくださるだろうと以下に。
時に元禄十五年十二月十四日、
江戸の夜風をふるわせて、響くは山鹿流儀の陣太鼓、
しかも一打ち二打ち三流れ、思わずハッと立ち上がり、
耳を澄ませて太鼓を数え
「おう、正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ」
助太刀するは此の時ぞ、もしやその中に、昼間別れた
あのそば屋が居りはせぬか、名前は何と今一度、
会うて別れが告げたいものと、けいこ襦袢に身を固めて、
段小倉の袴、股立ち高く取り上げし、
白綾たたんで後ろ鉢巻眼のつる如く、なげしにかかるは
先祖伝来・俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、
切戸を開けて一足表に出せば、
天は幽暗地は皚皚たる白雪を蹴立てて行手は松阪町・・・
吉良の屋敷に来てみれば、今、討ち入りは真最中、
総大将の内蔵之助、見つけて駆け寄る俵星が、
「天下無双のこの槍で、お助太刀をば致そうぞ」、
云われた時に大石は、「深き御恩はこの通り、厚く御礼を
申します。されども此処は此のままに、槍を納めて御引上げ
下さるならば有り難し」、かかる折りしも一人の浪士が
雪をけたててサク、サク、サク、サク、サク、サク・・・
「先生!」「おうっ、そば屋かぁ!」
いや、いや、いや、いや、襟に書かれた名前こそ、
まことは杉野の十兵次殿、わしが教えたあの極意、
命惜しむな名をこそ惜しめ、立派な働き祈りますぞよ、
さらばさらばと右左。赤穂浪士に邪魔する奴は何人たりとも
通さんぞ、橋のたもとで石突き突いて、槍の玄蕃は仁王立ち・・・
・では破線以下に、一昨年の投稿記事を再び。
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2013年12月14日
(赤穂浪士討ち入りの日に)
・12月と言えば、我らクソガキの頃は東映の【忠臣蔵】が楽しみだった。主役である大石内蔵助を〔片岡千恵蔵〕と〔市川右太衛門〕の両御大が、毎年交互に演じるのである。敵役の吉良上野介は〔進藤英太郎〕〔薄田研二〕〔月形龍之介〕などが憎憎しく演じた。
・悲劇の浅野内匠頭は〔中村錦之介〕〔東千代之介〕〔大川橋蔵〕など、若手スターが。「今年の堀部安兵衛は誰だろう?」などと、クソガキ仲間では結構な話題だった。
・何せ47人の役者を総動員出来るし、悪役だって在庫一掃の感じだ。その上、やれ天野屋利兵衛だの、やれ本所松坂町・吉良邸の大工だの、やれ俵星玄番だのと尾ひれも付く。吉良方の清水一学だって「今年は誰?」と話題になったものだ。
・あの大討ち入りシーンは、テレビではダメで、やっぱ映画館のシネマスコープでなきゃ迫力が無い。映画のヘタリで、12月の一大イベントだった【忠臣蔵】も、サッパリ作られなくなってしまった。
・話は変わって、読書のお勧めである。【忠臣蔵モノ】は、山田風太郎に至るまで読んできたつもりだが、以下の5冊は絶対お奨めである。
1.忠臣蔵モノの原点とも言える、〔大佛次郎〕の【赤穂浪士】、
2.討ち入りシーンがド迫力の、〔森村誠一〕の【忠臣蔵】、
3.吉良に殉じた側から書いた異色作、〔森村誠一〕の【吉良忠臣蔵】、
4.ルポルタージュ形式の、浪士銘々伝が詳しい、〔津本陽〕の【新忠臣蔵】、
5.諜報戦、ドキュメンタリーの色が濃い、〔池宮彰一郎〕の【四十七人の刺客】・・・
・泉岳寺には二度行ったが、明らかに観光化されているのが一目で分かる。主君:浅野内匠頭の墓に寄り添うように浪士らの墓が整然と並べられている。討ち入り前に自害した萱野三平と討ち入らなかった寺坂吉右衛門の供養塔までプラスされて、浪士の墓は48有る。
・ただ切腹した46人の墓碑は、頭に「刃」の字が乗せられ、姓名が「剱」で分断されている。長らく山の北側に「罪人の墓」として放置されていたらしく、荒廃が激しい。妻子、一族への当時の苛斂誅求な罪科を偲べば、決して現在のような「忠義」「快挙」とされなかったことが分かる。
・「時は元禄十五年十二月十四日・・・月の明かりが味方の松明、山と川との合言葉!」講釈師:一龍斎貞山の名調子が懐かしい本
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