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サンダル履きが似合う女優 倍賞千恵子の実像

2015年10月27日
(サンダル履きが似合う女優 倍賞千恵子の実像)

http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%ab%e5%b1%a5%e3%81%8d%e3%81%8c%e4%bc%bc%e5%90%88%e3%81%86%e5%a5%b3%e5%84%aa-%e5%80%8d%e8%b3%9e%e5%8d%83%e6%81%b5%e5%ad%90%e3%81%ae%e5%ae%9f%e5%83%8f/ar-BBmqixk


・25日に年甲斐もなく、〔早見あかり〕ちゃんを激賞してしまったので、今日は「年相応に」〔倍賞千恵子〕さんを取り上げよう。【家族】とか【幸福の黄色いハンカチ】とか【駅】とか、彼女が居なくては作品にならなかった多くを観ているが、やっぱりイメージは「また失恋して旅に出る兄を、切なく駅まで追う【寅さんシリーズの妹役=さくら】になってしまうのが、フツーの日本人だろう。


・チョイ役だったが、〔吉永小百合〕さん主役の【母べえ(かぁべぇ)】のラストシーン、女医になった娘の〔倍賞千恵子〕さんが登場して、「作品も落ち着き、何より視聴者が安堵した」思いは共通だろうが、考えてみれば不思議な女優さんである。


・妹の〔倍賞美津子〕さんには肉感が感じられるが、姉さんは「透明」で「質素」なのである。「貧乏くさい」と言ったらそれまでなのだが、童謡を始めとするあの「清澄感」は何なのだろう。この記事のタイトル通り、『サンダル履きが似合う女優』ってのが、ピッタリなのかも知れない。


・MSNニュースから、ダイヤモンド・オンラインの記事を以下。

・「【サンダル履きが似合う女優 倍賞千恵子の実像】ダイヤモンド・オンライン・佐高 信 2015/10/26」(写真:GOOGLE画像から、寅さんの妹:さくらの倍賞さんを拝借)


Photo_2


・「『♪どうせおいらはヤクザな兄貴 わかっちゃいるんだ妹よ』 渥美清演ずる車寅次郎は『男はつらいよ』の3番をこう歌い出す。その妹さくらが倍賞千恵子である。たとえ妹がいなくても、それを彼女や母に置き換えて、世の男どもは次のように続ける。「♪いつかお前が喜ぶような 偉い兄貴になりたくて」


・「もちろん、さくら以外にも倍賞の当たり役はあるのだが、何せロングランの超人気シリーズとあって、倍賞イコールさくらというイメージが定着している。『渥美さんは私のことを娘みたいに思ってくれていた』 そのさくら、いや倍賞と『俳句界』で対談したのは2014年の暮だった」


・「話は渥美清の思い出から始まったが、倍賞はさくら役が少し重荷になっていて、一時休憩しないかなと思っていたころ、渥美に『役者が役名で呼ばれたら、それはほめ言葉なんだよ』と言われた。 渥美は家庭を守るためか、友人をほとんど自宅に連れて行かなかった。浅草時代からの古いつきあいの関敬六でさえ、『お前はここで帰んな』と言われたのである」


・「倍賞は、『寅さん』と騒がれれば騒がれるほどそうなっていったんだと思うと語っていたが、それだけに『さくら』に占領されてしまうと苦しんでいる倍賞を渥美は気遣っていたのだろう。 対談する前、手紙の整理をしていたら、渥美夫人からもらった手紙が何通か出てきて、倍賞は読みながら、ぼろぼろ泣いてしまった」


・「渥美が亡くなってからもなかなか会えず、柴又でコンサートをやった時に初めて夫人が楽屋に姿を見せ、黙って2人で抱き合って、ワーワー泣いた。開演前なのにである。その後の倍賞の言葉を引こう。 『渥美さんが私のことを娘みたいに思ってくれていたということも、あとから頂いた手紙でわかったんです。ちゃんと大切にしなければいけないことをいっぱい見逃していたんじゃないかしらって後悔しました。今からでも遅くないし、人と出会ったら、それを大切にしていこうかなって思っているんです』」


・「倍賞は個性的な役は少ないと言い、『無個性の個性」と言われたこともあると語ったが、しかし、高倉健と共演した『駅 STATION』は違った。内面に激しさを秘めた飲み屋の女将の役である。 『“桐子”ですね。私は、そんなに激しい人とは思っていなかったんですよ。桐子はさくらさんとは違い、目の前で男の人が殺されたり、男を待つみたいな女の部分では随分違っていましたが、私の中では拒否感もなにもなく、割と自然に入っていけました』」


・「『駅』は美術部が凄かった。初めて桐子の居酒屋のセットに入った時に、桐子がこうするだろうな思うところに物が置いてあったのである。ゴミを捨てようと、ふっとゴミ箱を見たら、前の日に捨てたゴミがあったり、おでんの種が満杯ではなく程よい入り方だったり、テーブルにはタバコの焦がし跡があったり……」


・「セリフを言いながら、どうにでも動けた。とてもやりやすくて、かなり長回しでワンカットを撮っていたけれども、するっといけた。おかげで自然に動けて、すぐに桐子になれたのだった」


・「★生活のにおいをつくり、まき散らす女優・・・倍賞は、チケットぴあの矢内廣がやっている俳句の会に入っている。俳号は『ちえこ』。代表句を尋ねると、『ないです。1回ほめられたことがあったけど、忘れちゃった』と言うので、文章を書くことは恥をかくことであり、俳句をつくるのも同じではないかと受けたら、こう打ち明けられた」


・「『私なんか中卒だったから、国語でも数学でも社会科でも、わからないことがいっぱいあるんですよ。だから、勉強するだけですごいなあと思うし、だから、俳句でいろんな勉強をしたあとの飲み会が楽しいんです』 中山千夏も同じである。しかし、最後は、勉強してもこの程度かと思うようになったと言っていた。そう伝えたら、『本当は、私もそう思っていたんです。社会に出たら、勉強より人間としてどうかということが一番大事なんじゃないかなって。そういった意味でも、寅さんは人間として大切なものを持ってるんじゃないかなと思います』と、また寅さんに帰った」


・「10年ほど続けている『俳句界』の「佐高信の甘口でコンニチハ!」の中でも、倍賞対談は極めて評判が高かったが、それが『佐高信の一人一句』(七つ森書館)としてまとめられる時、倍賞の項に私は次のような『まえがき』をつけた。 『倍賞さんは私にとって♪うるわしき桜貝一つ 去りゆける君にささげん の歌のひとである。と同時に、渥美清が演じた寅さんの妹さくらでもある。倍賞さんには、高浜虚子の娘の星野立子の『たんぽぽと小声で言ひてみて一人』はどうだろうか』」


・「レコード大賞新人賞を受けた倍賞の『下町の太陽』は映画にもなったが、その脚本、監督が山田洋次だった。あまり華やかさのないこの映画に、当時の松竹の製作本部長は『こんな写真が当たれば、苦労しないよな』とため息をついた。やはり当たらず、山田は干される。しかし、山田の頭には倍賞という女優のイメージがくっきりと焼き付けられた。読売新聞社文化部『この歌この歌手』(現代教養文庫)で、山田はこう語っている」


・「『松竹といえば、女優王国といわれ、田中絹代、高峰三枝子、木暮実千代など数多くの女優が出ました。ところが、倍賞千恵子という女優がSKD(松竹少女歌劇団)から大船にトレードされてきた時、大きな旋風のようなものを巻き起こしました。岩下志麻もデビューしたころでしたが、彼女はいわゆる松竹の正統派。ところが、倍賞は、それまでの松竹にはない、生活のにおいをつくり、まき散らす女優だったんです。サンダルばきが似合うというか、リアリズムの演技ができるスターの出現が、大変新鮮でした』」


・「山田はまた、『彼女は自分の生活、人生を隠そうともせず、誇りにさえ思っています』と続ける。倍賞も『隣の家の玄関をがらっと開けて、こんにちは、というような作品だと、わたしはだれよりもうまく表現できるでしょうね』と語っている」


・「渥美がまだ生きている時の話だが、そんな倍賞がスキーで足を折った時、渥美はこんな見舞いの手紙を出したという。『痛くてかわいそうだが、だいじょうぶだよ。あんたはクソババアになるまで女優を続ける人だよ』」・・・

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